· 

OBOG インタビュー Vol.5 津田純嗣さん

MP OBOGインタビューのVol.5は、(株)安川電機の社長、会長を経て、現在、特別顧問の津田純嗣氏(MP1972・1973のSet(舞台美術 現在では Sets and Props :Seppy と呼ばれている)とMP1973「June Night」でDirectorを務めた奈良橋陽子氏との対談という形で2022年4月20日オンラインで行われました!

 

MP1973「June Night」の思い出

奈良橋陽子:

1973年の時の歌を覚えてますか?

 

津田純嗣氏:

えぇ。みんなでシャウトしてましたね。僕は、2年間JET(Joint English Theatricals:当時、東工大×青山学院短大、電気通信大×東京女子大短期部、東京医科歯科大×お茶の水女子大、東京教育大(現筑波大学)×東洋英和短大が参加していた英語劇連盟)をやり、その後、誘われてMP1972と1973のSetに参加しました。当時、俳優の中村雅俊さん(Sound)は、とても人気がありましたね。 僕たちは、東工大でセットを作ってたんです。僕は、舞台の才能はないけど、素材を集めてものを作るのが楽しくて。ところが、Directorの陽子に見せたら、すぐにNGをもらい、作り直したことを覚えてます。

 

奈良橋陽子:

あら、そんな失礼なことをしましたか?セットといえば、大阪公演のことを覚えてますか。

Stage Mangerの輪座さんが、セットをゴミ置き場とは知らずに置きっぱなしにしてしまい、翌朝なくなっていて、もう大事件!

本番当日、どうするか。あるもので作るしかないと、劇場のカーテンを使ったり、その辺にあるもの使って、なんとか本番を乗り切りました。

今は、笑い話だけど当時は大変でしたね。でも本当に楽しかったです。


 

英語とMP

津田純嗣氏:

僕たちは、東工大でセットを作っていたから、久しぶりにリハに行くと、みんな英語がうまくなっていたのに、びっくりしました。

 

奈良橋陽子:

今では、スタッフもリハに参加し、ストーリーを体現しながらスタッフワークに繋げてもらうことを稽古の最初の期間に取り入れています。Dramaは、相手の言うことをしっかりと聴いて、自分の言いたいことを相手に伝えることが重要になります。その過程で、必然的にコミュニケーションのツールとして英語ができるようになっていきます。

MPの創設者のRichard A.Viaは、私の人生を変えてくれました。

彼の最期をハワイで見届けた時、彼は『みんなの中でずっと生きている』と言ってくれました。私は今でもそれを忘れずにMPを続けている。

コロナ緊急事態中の2020年のMPもリモート公演を行い、MPを絶やしてはいけないという思いでした。

 

 津田純嗣氏:

僕は、東工大でロボットを学んだので、今の会社に入りましたが、陽子のおかげで英語に接することができ、2003年まで13年間シカゴにいました。

 

MPは、あなたの人生にどう影響しましたか?

津田純嗣氏:

舞台装置を作ったりするのは、どちらかというとキャンピングに近く、いろんな人がいろんなところからワイワイやってくる感覚ですかね。楽しさが先にありました。MPは、Directorがプロフェッショナリズムを持っていて、最終目的が公演という形があるので、とても達成感がありましたよね。僕は、セットだったので、英語という意味では、あまり勉強にはならなかったけど、身近に英語があることに意味があると思います。僕はもともと英語が好きでしたので、アメリカでの仕事を希望して、今の会社に入りました。

MPはバラバラの大学から参加していて、個性豊かな人々の集まりで、Diversityの先駆けですよね。

 

現役へのエールの言葉をいただきたいです。

津田純嗣氏:

コロナの中で大変でしたね。さきほど陽子さんとも話しましたが、MPのステージとオンラインというものを、どうやって使っていくか。試行錯誤しながらも自分たちの作りたいものに向けてコミュニケーションをうまくとったり、MPの本来の目的である英語というものを深められるところが出てくると思うので、進化させていってください。

キャンピング気分で来ている人もいるだろうし、作り上げていくという意気込みで来ている人もいると思いますが、ぜひ作り上げていくという意識が全体として向かうように、頑張ってください。


  津田純嗣氏経歴

1971年 東京工業大学入学、ESSに所属し、英語劇リーグJETに参加

1972,73年MPに参加

1976年 安川電機入社

1990年~2003年 シカゴに駐在

2010年 安川電機代表取締役社長

2013年 安川電機代表取締役会長兼社長

2016年 安川電機代表取締役会長

2022年 安川電機取締役

現在、特別顧問に至る